日本の会社に一番必要なのは「値付け」能力ではないか

最近、日本っていろんな物を安くしすぎではないか?と思うところがあります。

まず一番は、外食が安すぎる。
食料品が安すぎる
生活用品が安すぎる
あとは、
サービスが安いのにクオリティが異常に高すぎる。

「安くていいものを。」をまるで正しいことのように考え、宗教のようにそれに突き進む。
経済的にいったら「安くていいもの」を追求していったらビジネスの終焉が待ち受けているわけでいいことではないわけです。

「いかにより高い値段で買わせるか」をビジネスでは追求しなければいけないのにいいものを安く提供してしまったらそこで終わってしまいます。

スマホを例に見てみましょう。

6年前(2013年)のスマホと現在のスマホ。
現在スマホを作っているのは中国・韓国・台湾。あとごく一部アメリカ(iPhone)や日本です。
日本メーカーはもうほぼ淘汰されてますね。

6年前のスマホはミドルクラスで平均3万円でした。
つまり3万円で普通の中級スマホが買えたわけですが、現在、ミドルクラスのスマホの値段は4万円から6万円です。

そして、
本来であれば、コンピューター機器の性能は6年もあれば、10倍以上になっていました。そして、性能は10倍で値段は据え置きといった状態でした。

しかし、現在のスマホのハード性能を見てみると6年経って1.5倍から2倍程度にしかなっておらず、さらに値段も性能に合わせてスライドしています。

性能が上がってもコストがそのままスライドしていくということはまず考えられません。
つまり6年前の3万円で販売していたスマホと、現在の6万円のスマホで作るコストはそんなに変わっていないと思われます。

コストは同じなのに値段は2倍になっている。
つまりその分は利益。

このことから世界の企業の常識は、
「いかにより多くのお金を払わせるかが大事」ということです。

日本のメーカーは価格競争ばかりします。
よりいいものをより安くです。

これはダメな考え方です。

海外では1000円の消費で受けられるサービスは1000円の対応です。
「1000円程度で提供できるサービスなんてこんなもんだ」
「雑でふてぶてしいサービスが嫌ならもっと値段の高いところに行け!」
といった感じですが、

日本では1000円の物に月数万円のコンシェルジュレベルの細やかなサービスを当たり前のように提供しているのが問題。
そして、日本の消費者もそのサービスを当たり前だと思ってそれができないと文句を言ってきます。
本来、自然原理ではありえない価値のトレードを行っているということです。

しかも、
それはその労働側の善意と負担によって成り立っています。正当な対価をもらわずにやっています。
これもバカの一つ覚えの価格競争です。

1000円の物に数万円の価値を提供してはいけません。

いかに相手により多くのお金を払わせるかに注力すべきです。
「こんな高い金額払うのはきついけど、その価値はあるから払っちゃうんだよなー」
と思わせる価格設定。

つまり値付けの能力が日本人はあまりにも無さすぎる。

iphoneなんてもう10万円越えです。
「これで最高の体験を提供してやる。10万円以上の価値を提供するんだから文句はないよな?」です。

いくらで作っているかは関係ないのです。
1万円で作れるものでも10万円の価値がある物として10万円で売るのです。

頭の悪すぎる日本人の消費者は1万円で作れるなら1万円でよこせと言い出す始末です。
お金儲けは卑しいものだとか完全に思考停止で経済の基本や常識がまったく無い人間はそもそも相手にすべきではありません。

ダイソンも良い例です。
昔の掃除機なんていくらでしたか?
だいたい1万円から3万円です。
ダイソンはいくらですか?6万円以上ですよね。

でも、みんな何かと掃除機といえばダイソンと答えます。

昔、まだ日本人のほとんどがダイソンの存在を知らない時に私は日経デザインという雑誌でダイソンが紹介されていて、「これ欲しい。値段クッソ高いけど。」と友人に言ったら「値段高すぎるでしょw」と鼻で笑われました。

それから数年後、
どうでしょうか?

日本では掃除機といえばダイソンとなっています。6万円以上する掃除機ですよ?

ダイソンが日本で有名になっていくなかで当然テレビでも紹介され始めて、値段が高いことからリポーターがダイソンの社長に
「今後、値段は一般消費者でも買いやすいように下げていくんですよね?」
との質問にはっきりと社長は、
「値段を下げる予定は全くありません」と答えていました。

つまり、一貫して価格競争に参加するつもりはないと初期の段階から明言していたのです。

では、ダイソンは日本市場で負けたのでしょうか?
いえ、負けたのは価格競争していた日本のメーカーです。

ぼったくり価格ともいえそうな強気の値段でスマホiPhoneを売り続けるアップルは日本市場で負けたのでしょうか?
いえ、負けたのは価格競争していた日本のメーカーです。

しかも「今度はこんな素晴らしい体験ができるようになったよ」「こんな最高の機能が付いたよ」といって大々的にiPhoneの良さを謳って消費者もその度に興奮していましたが、その「素晴らしい体験」や「最高の機能」というのは日本のメーカーが数年前にすでにガラケーに普通に搭載していた機能です。

数年遅れた性能なのに日本メーカーは負けて、アップルは圧勝したのです。

iPhoneなんかは意図的に性能が落ちていくように設定していました。
自然劣化で性能が落ちるのではなく、システムとしてわざと使いにくくなるように設定していたのです。
使いにくくなればまた新しいiPhoneを購入する。
つまり、「より多くのお金を出させる」ことに注力していたのです。

さすがにやりすぎだと批判されて謝罪しましたが、そのぐらい「いかに消費者から自主的にお金を引き出せるか」に力を入れているのです。

だから、今の日本の会社に一番必要なのは「値付け能力」ではないのか?と思うのです。

日本の会社に値付け能力がないのだとしたら、いっそのこと国が安売りを規制する法律を作ってしまってはどうか?と思っています。

品目ごとに最低価格を国が決めていきそれをどんどん上げていくのです。
もちろん最低価格よりも安く販売していれば厳しいペナルティを付けます。営業停止や免許剥奪。あともちろん安売りした分を超過する罰金。

そうすると何が起こるかというと

安値競争が一定ラインで止まります。
「これ以上低い値段は法律で禁止されているから価格では勝負できない。」と。
そこからは品質・クオリティ勝負・マーケティング勝負になります。

「もっと安くしろ!」という世間の圧力も気にせずにビジネスができます。
「これ以上低くしたら違法行為になるので無理です。」とはっきり言えます。

違法行為を強要するなんてそれはもう客ではありませんよね。

これをやることで強制的にビジネスをやる側に無理やり利益を確保させます。
そうすることで人件費にお金が回るようにします。

人件費にお金がまわると、当然給料があがり、生活に余裕が出て買えるものの選択肢が増えます。

日本は内需のほうが外需よりも大きい内需国家です。

内需国家ならいっそのこと内需の経済を活性化させればそれで十分経済はまわります。貿易でより多くの黒字を求める必要性もそこまでありません。

そして、海外の企業からは日本は実験・最先端の場として色々な企業が参入してきます。
多少高くてもいいものならガンガン売れる市場として注目されるわけです。
そうなれば、海外企業の日本市場参入で経済もさらに活性化。

利益を強制的に確保させることから今度は日本の会社が海外にチャレンジしてみる余力も生まれます。
そういった海外進出も国がきっちりサポートしてやれば今度は貿易でも有利になっていきます。

これをやることで、中古市場は衰退していくでしょう。
ヤフオクは縮小するでしょう。メルカリは縮小するでしょう。ブックオフも縮小するでしょう。100円ショップも衰退するでしょう。

しかし、それ以上に日本国民には恩恵があるのではないでしょうか。
もちろん穴はところどころあるのでそれを埋めながらの進行になりますが、なかなかいい案だと個人的には思ってます。